

VISON2028
VISON2028(今更ですが遠すぎませんか?)
吉田運送の現在の中核事業であるコンテナラウンドユースの拠点、インランドデポ。荷下ろしの終わったコンテナをここに集め、行きと帰りの輸送をマッチングすることで、それまで片道が空のピストン走行が常識だったところを、積み荷での走行率を飛躍的に向上させる事業を2008年より展開してまいりました。
空のコンテナの集積地点であったインランドデポは、人と物とが集まる陸の港としての役割が徐々に強まっていく中、2022年には正式に「コンテナヤード(CY)」として登録され、中継地点としてではなく、船荷証券を発行し、荷物の発着拠点として利用できるようになりました。これは、世界中のコンテナを弊社が運営するインランドデポを目指して、あるいはここからコンテナを発着できるようになることを意味し、名実ともにインランドデポが「陸の港」になりました。


インランドデポからドライポートへ
世界に目を向けて見れば、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど、同じように船荷証券が発行できる陸の港は各地に存在し、物流効率化の一大拠点として稼働をしています。それら、高機能のインランドデポはドライポートと呼ばれています。
国土の2/3を占める本州は細長い形状や、これまでの慣習もあり、ピストン輸送が主だった日本でも、2024年総労働規制が始まることで労働力不足を起因とする輸送力不足(2024年問題)が予想され、内陸の港の重要性は増していくことが予想されます。
2023年に創業50周年を迎えた弊社は、これまで坂東インランドデポと呼称してきた拠点を、グローバルスタンダードにあわせ、圏央ドライポートへと改め、複合一貫輸送のハブとして日本の心臓部である関東平野を中心に東日本の物流効率化に寄与してまいります。


物流の未来を照らすドライポート
輸送容量増大、効率化の前線基地
2024年から始まる総労働量規制に伴って、輸送力不足が予想されている、いわゆる2024年問題は2024年で終わるのではなく、そこから始まる課題です。海上コンテナや一般陸送の別なく、襲ってくる人手不足。これへの対応としては、ハード面、ソフト面での物流効率化は欠かせません。なかでも弊社が運営するドライポートの果たすべき役割は大きいと考えております。
海外のドライポートは、鉄道と直結し、鉄道輸送との連携が可能となるところも多くあります。しかしながら、日本においては開国以来、乗客を目的地まで運ぶ目的として鉄道が早期に発展してきた関係上、経路や投資の方向性において、人を運ぶものとしての役割が強くあります。そのため、物流、とくに陸送においてはトラックが主な担い手となっています。
この日本特有の状況を踏まえ、トラック輸送を主とした物流の効率を最大化する日本ならではのドライポートの運営を、運送業を祖業とする弊社の強みを生かし目指してまいります。
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海上コンテナ輸送と一般陸送をスマートに切り替え
2023年、弊社はオリックス自動車との協業で、機能性コンテナ「スイッチボディ」を用いた海上コンテナと一般陸送のスマートスイッチの運用を開始しました。これは、海上コンテナの車両に一般陸送に適したウィング式の開閉ができるコンテナを乗せることで、海上コンテナ用の資産や土地を使って、一般陸送への展開ができる施策です。
またこの施策は、すべての経路をトラック輸送で運ぶのではなく、複数のコンテナを船に集め海路での輸送を挟むことによって、全体の輸送効率向上をはかるモーダルシフトへのシームレスな展開を視野に入れた取り組みです。
コロナ禍に前後して従来から展開し、多くの需要を掘り起こした、コンテナ預かりサービスによるストックポイントシフトに加え、もう一つの柱である「アンドコンテナ」事業と連携も図り、陸と海とをつなぐ特性を持つドライポートの潜在力を最大限引き出してまいります。


運送業の未来を創る
運送業2.0----スマート、高収益
技術革新に伴う効率化で一次産業をアップデートしようとする動きは全世界的に進んでいます。農業2.0、あるいは漁業2.0などと呼ばれるそれらは、それまでのイメージを覆し、憧れの対象となるだけでなく、収益性の向上により働き手の収入を高めることに成功している国や地域があります。先にも上げた2024年問題を始め、大きな変動の最中にある運送業もまた、革新の機会が訪れていると弊社は捉えています。
自動運転の精度向上や、EVシフトといううねりの中で、全個体電池や水素エンジンの可能性、再生可能エネルギーの活用など、モビリティの世界はまさに大変革期にあります。それは、もちろん乗用車のみではなく、トラックをはじめとする商用車にも大きな影響を与えます。弊社ドライポートを運送業のアップデートの中心地ととらえ、続々と登場する革新技術を活用し、運送業の未来へと貢献したいと考えております。


無限に広がるコンテナの可能性
これまでにない方法でアイデアを形に。アンドコンテナ
弊社のもう一つの柱であるコンテナ利活用事業「アンドコンテナ」にもより一層注力してまいります。
海上コンテナの持つ、耐久性、可搬性、それら実用性のみならず、独特の風合いも評価され、建材としての注目が集まっています。弊社では、災害時やイベントなどで役立つトイレ・シャワーコンテナや、スーパーカーも収納可能なガレージコンテナ、サウナコンテナ、コンテナハウス(住居用コンテナ)、キッチンコンテナなど様々な機能性コンテナを開発・販売しております。近年大きなブームとなり、文化として定着したサウナを楽しめる、サウナコンテナは業界のリーディグカンパニーであるTTNE社の監修の本格的なドライサウナです。
統一規格であるコンテナは再利用のしやすさも大きな特徴であり、弊社はこの特性を生かしつつ、今後も様々な機能性コンテナの開発に取り組み、持続可能社会へと寄与してまいります。


コンテナでできた街。サステナブロックス
坂東ドライポートに隣接したエリアに、コンテナでできた街「SustainaBlox:サステナブロックス」を2023年にオープンいたしました。これは、アンドコンテナ事業で作られた様々な機能性コンテナが体験できるコンテナ展示場であるとともに、にぎわいを創出する地域活性化の拠点となることを企図しています。
毎週様々なキッチンカーが集まる、キッチンカー・フライデーをはじめ、SustainaMarketなど各種イベントが開かれ地域のハブになっています。古くから港の周りは人と物と情報とが行きかうことで、にぎわいとはなやぎ、そして文化が醸成されてきました。「陸の港」であるドライポートもまた同じ役割を担うべきであると弊社は信じております。今後も弊社は日本ならではのドライポートのあるべき姿を、来るべき未来に向けて、追求してまいります。
※YOSHIDA VISIONとは
数年後の未来をターゲットとし、吉田運送株式会社が実現したい未来をVISIONとして示したものです。第一回はVISION 2020は2019年に公表し、第二回はVISION 2023は2020年に公表し、今回が第三回となります。