VOL.4

​ONE JAPAN

​福田昌司氏

​オーシャンネットワークエクスプレス株式会社マーケティング統括部コンテナインベントリー課​ 副部長 兼 課長 福田昌司氏に聞く船会社からみる陸上コンテナマッチングの要!インランドデポの重要性と将来性

​取材日 2020/2/18

吉田運送:今回は、ラウンドユースで活用されるコンテナ、その所有者である船会社のONE JAPANの福田さんにお話を伺います。本日はお忙しい中、ありがとうございます。


福田さん:私はONE JAPANという会社に所属しております。日本のONEの現地法人になります。ONEは船会社でしてもともと日本郵船、商船三井、川崎汽船のコンテナ部門が独立して一つの会社になりました。世界的な規模としては、船腹量・TEU(※コンテナを数える単位(20フィート=1TEU))の数が世界で6位です。

◇コンテナ輸送の現在

吉田運送:会社の中での住み分けはどのような感じなのですか?


福田さん:みなさん街中を歩いていると大きな鉄の箱を積んでいるトラックをみるとおもうのですけれども、あのコンテナは取り外せるようになっていて積み木のように船に積むようになっています。従来の海上輸送は規格化されたコンテナ形態ではなくて、それぞれの荷主さんが貨物に合わせた梱包を行いそのまま船に積んでいました。1960年から70年にかけて北米でコンテナライゼーションがはじまりまして、要するにどんな形状をした貨物でも規格化されたコンテナの中に詰め込んでしまえと、コンテナは全て規格化されているので非常に積みやすいのですね。1970年には爆発的に広がりまして、一般的な在来貨物は定期海上輸送の主役になりました。今では一般貨物をコンテナなしで積むことはほとんどなくなりましたね。コンテナと船を用意して輸送を行うのが今の船会社の動きですね。
通常の船会社ですと船のスペースを荷主様に売って輸送でサービスを提供するのが普通なんですけれども、コンテナ定期船社は、船はもちろん更にコンテナも自分で用意してお客様に貸し出すといることをしています。つまり2つのリソースがあるのです。


吉田運送:ONEのピンクはとても目立ちます。遠くからでもONEのコンテナであることがすぐにわかりますね。


福田さん:あの色はすごく評判がいいんですよ。船もあの色に塗ったんですよ。色はマゼンタです。ピンクでもなく桜色でもなくマゼンタと言う色があるんですよ。色々なところに塗りますのでカラースケールのベースカラーの1つであるので入手しやすいのが重要で、コンテナにも塗りますし船にも塗ります。


吉田運送:なるほど、そういうメリットもあるんですね。コンテナライゼーションが進んだ今での貴社の役回りについて改めてご説明願えますでしょうか?


福田さん:はい。コンテナ船社は先ほど申し上げた通り、船とコンテナの2つのリソースをもってやっています。事業としては全世界を1つのマーケットとしてやっています。各地に拠点をもって1つの事業を各地がサポートしている。各国各地域の現地法人オフィスが1つの目的に向かって機能しているってことなんですね。ONE JAPANっていうのは日本におけるONEのシッピング事業の代表です。ONEの本社機能はシンガポールにありまして船とコンテナの2つのリソースをどれだけどこに投入していくというのは、シンガポールで決めています。

◇コンテナライゼーションの帰着としての内陸港

吉田運送:本格的に日本で、インランドデポが始まったのが十数年前で、現在は普及率も上がってきています。それまではピストン輸送が主軸でした。インランドデポが始まる前と後で何か変化は感じますか?


福田さん:正直に申し上げると、コンテナは船会社の資産ですので、以前の船会社の考えはコンテナを勝手に使われる事はあまりポジティブではなかったです。ラウンドユースは船会社の資産であるコンテナを輸入者に対して貸していたはずなので、本来ならば一度船社に返却されてしかるべしというのが基本的な考え方でした。そして返ってきたものを輸出者に対しては我々が新たに貸し出しますというやり方ですね。日本のマーケットの中ではそういう考え方が根強くて、他船社ではありますがラウンドユースを行う際にサインが必要だとか契約が必要だとか、ハードルを高く設定してくる所がまだありますね。北米や欧州ではラウンドユースはポピュラーで、コンテナライゼーションの初めは当然ながら、港から港なんですけれども、北米は広いので内陸にも入っていきました。当初からラウンドユースは行っていましたね。


吉田運送:日本は島国で狭いのでピストン輸送が主流になったんですね。時代の流れとともにラウンドユースがはじまったのですね。


福田さん:始めてみると、日本でもメリットは明確でした。わかりやすいところでは、港での混雑緩和とお客様のサービスの一環として提供できます。


吉田運送:船会社にとってお客様のニーズってどういう風に見えてきますか?


福田さん:輸出であれば工場から売り先までのすべてのコストを合算して比較していると思うんですね。その中で日本の内陸コストは非常に高い割合を占めます。実は海上運賃って非常に安価なのですよ。陸送運賃の方が高いと思います。


吉田運送:荷主からすれば内陸コストを抑えたい思いですね。


福田さん:そうですね。トータルコストの中の大きな割合を占めていますので船会社としてそこをPRすることで、お客様の需要に食い込みサービスを提供するわけです。


吉田運送:港の混雑緩和についてもお客様にはメリットを感じられるのでしょうか?


福田さん:もちろんです。お客様が手配する陸送トラックが港で酷いときは、コンテナヤードで8時間も待たされるわけです。本当に酷いときは「あのターミナルには行きたくない」とトラッカーに言われてしまいそれでお困りになったお客様も結構多かったですからね。


吉田運送:全般的に輸送力が不足している感じもありますか?


福田さん:ドライバー不足もそうなんですけれども、港の処理能力に対してコンテナの取扱量が過剰になっていることも有ります。どんなにドライバーがいても一つのコンテナヤードで8時間も待たされていたら嫌になってドライバーが辞めていき足りなくなります。


吉田運送:混雑の解消は船会社にとってはどんなメリットがありますか?


福田さん:とても大きなメリットがあります。コンテナヤードが混んでいるので、船からコンテナを降ろそうとしても、降ろす場所がいっぱいになっていて降ろせない。混雑が解消すれば作業効率が劇的に改善します。


吉田運送:毎年のように壊滅的な台風が来ますが、その時にインランドポートにストックされたコンテナがあれば、調整弁として機能すると言う事例が目立ってきています。


福田さん:インランドポートに在庫があればリスクの分散化ができますのでBCP対策になりますね。それもメリットしてはとても大きいです。

 

◇高機能インランドデポへの期待

吉田運送:弊社としてはインランドポートの機能を今後も高めていきたいと思っています。福田さんの目から見て、今後インランドポートに望むことを教えてもらえますでしょうか?


福田さん:コンテナはコンディションを維持することが大変です。あれだけ大きな箱を扱っているとコンテナの中をフォークリフトでガンガン走り回ったり爪で刺しちゃったり、床板踏み抜いちゃったり色々ダメージがあるんですね。それを修理する機能が必要です。


吉田運送:インランドデポで修理機能をもっているところはあまりないですが、弊社では軽微なものに対しては今も行っています。これからは港で行っている修理と同レベルの作業ができるように、スキルを上げて対応できる体制を構築中です。


福田さん:それができると、本当にありがたい。コンテナの活用効率がより上がります。


吉田運送:ダメージがあって空返却となるとせっかく集まったコンテナなのに、無駄が生じてしまい、もったいない。高度な修理機能があれば、コンテナの本数が多く使えるようになればお客様に多く提供できます。


福田さん:輸入で入ってくるコンテナの1/3はダメージなんですよ。内陸デポでコンテナのリペアできたら数字的には大きいですよね。


吉田運送:(2020年3月に1年間の延長が決まった)オリンピックに向けて経済が活性化していきますよね。オリンピック後の世界を船会社さんはどう展望されていますか?


福田さん:オリンピックが終わっても東京港の混雑は終わらないし避けられないと考えています。現状は、東京港を細分化して各オペレーターが業務を行っていますが、海外では一つのターミナルを一つの指揮系統でオペレーションしているので効率がすごく良いですね。

吉田運送:コンテナリペアを始めとして、弊社では海港でできることの多くをインランドデポでもできるようにしていきたいと思っています。


福田さん:期待しています。ぜひ継続的にお話ができれば。

コンテナ輸送が始まる前から事業をしていた船会社三社の共同出資で始まったONE JAPAN株式会社は世界の物流がコンテナの活用によって、効率化されて行くのを当初から見てこられました。日本においてインランドデポの歴史はまだ浅いですが、陸でのコンテナの活用、そしてそれに付随したサービスの拡張は必然の流れです。船会社をはじめとする、関係各社の期待を胸に吉田運送は更なる進化を目指します。

logo (1).gif

​​吉田運送株式会社